日本で中国刺繍タンカの展覧会 美しさが来場者を魅了
新華社2024-10-08 10:35
3日、「刺繍タンカ芸術展―中国無形文化遺産の美」に展示されたつづれ錦のタンカ。(東京=新華社記者/郭丹)
中国チベット仏教の仏画「タンカ」の特別展「刺繍(ししゅう)タンカ芸術展―中国無形文化遺産の美」が2日から8日間、埼玉県所沢市の角川武蔵野ミュージアムで開かれている。刺繍タンカ作品86点、仏像10点を展示。精巧さと美しさが専門家や来場者を魅了している。
展示品は中国の美術品収集家、李巍(り・ぎ)氏のコレクションで、李氏は「展覧会を通じて中国文化の美しさを世界に感じてもらい、文化によって中日両国の民間交流を促進したい」と語った。
開催を祝賀するビデオメッセージを寄せた鳩山由紀夫元首相は、中国の青蔵高原は悠久の歴史と鮮明な民族文化を育み、日本にも少なからぬ影響をもたらしたと指摘。「刺繍タンカの世界観、宇宙観は必ず人の心に響く。これこそ文化が本来持つ力だと思っている。このような文化交流が今後の平和の礎になる」と述べた。
同展の主催者の一つ、日中文化展覧協会の名誉会長、青柳正規元文化庁長官は、中国からは多くの仏教文化が日本に伝わったが、刺繍タンカはあまりなかったので今回のコレクションは重要であり、欠けていたものを埋めたと語った。
京都・西陣織の文化や技術を伝える活動を行う西陣経済研究所の尾田美和子代表理事は会場での取材で、展示されたタンカの刺繍技術は日本の絹織物業界にとっても手本になるとの見方を示した。(記者/郭丹)