中国が初めて国産深海アルゴフロートを複数投入
青島政務網2024-01-23 09:43
最近、中国海洋大学が先頭に立って嶗山実験室、海洋二所、海洋所等の機構が共同参加した嶗山実験室の科学技術のイノベーションプロジェクト「深海アルゴ(Argo)区域観測網構築」は初めて西太平洋フィリピン海盆で国産深海アルゴフロートの複数投入を完了した。これらのフロートは、6000メートル級の「深海玄武」フロート5台と、4000メートル級のHM4000フロート1台が含まれている。これは中国初の国産深海アルゴフロートの複数投入であり、中国の深海アルゴ区域観測網が常態化建設段階に入ったことを示している。
アルゴフロートは、自動式鉛直分布探測フロートであり、海中に投入された後、あらかじめ設定されたパラメータに従って自動的に沈降・浮上する過程の中で海水温度、塩分濃度などのデータを収集する。2000年に国際的なアルゴ計画が実施されて以来、加盟国は世界中の海洋に1万8000台以上の自動式鉛直分布探測フロートを投入し、数百万件の上層海洋の水温と塩分の鉛直分布データを提供してきた。
2021年、「ワンアルゴ(OneArgo)」プログラムは国連「海の10年」によって承認され、アルゴ観測網を全世界、全水深、生物地球化学的領域まで拡大することを目標とし、深海アルゴと生物地球化学アルゴといった二つのサブプログラムが設けられた。このうち、深海アルゴサブプログラムは、全世界の海洋に約1200台の深海フロートを投入・維持し、2000メートル以下の海洋の物理的状態を監視することを可能にする。
深海観測分野における中国の発言権を高めるため、科学技術のイノベーションプロジェクト「深海アルゴ地域観測網構築」が2022年に正式に開始された。このプロジェクトは、国際競争力のある6000メートルの深海用鉛直分布探測フロートを独自に研究開発し、西太平洋における深海アルゴ区域観測網構築とデータ活用に特化したものでフィリピン海盆における南極底層水の輸送過程や、西太平洋の2000メートル以下の深海に温暖化のシグナルがあるかどうかなど、一連の最先端科学的課題を解決するための重要な観測根拠を提供する。
中国は2030年までに、世界の深海アルゴ観測網のフロートの四分の一近くを維持すると予想されている。