首页 >新着

電磁波の動態伝播を証明 科学者がSF小説を検証?

CRI2024-04-24 15:56

 中国の有名なSF小説の『三体』では、主人公が思わぬ経緯で特殊な電磁信号伝送方法を身につけました。そして主人公は太陽を信号増幅器として、「恒星」レベルの伝送効率により宇宙に人類文明の最初の信号を送りました。

 宇宙にメッセージを送るこのような方法は、本当に可能なのでしょうか。このほど、ハルビン工業大学(深セン)空間科学・応用技術研究院の袁丁教授の合同研究成果が初歩的な答えを出してくれました。袁教授と協力研究者は初めて電磁波(光波)の動態伝播を観測し、太陽コロナの特殊構造や惑星などの大型天体が電磁波信号増幅装置として機能でき、星間通信やエネルギー伝送の可能性があることを確認しました。関連研究成果は科学誌『ネーチャー・コミュニケーションズ』で発表されました。

 フレア爆発(波源)、コロナホール(凸レンズ)と磁気流体力学波の波面拡散と集束過程

 袁教授のチームは、太陽フレアの爆発が大規模な磁気流体動力学波を触発し、その波面は太陽フレアを中心に周囲に拡散し、途中で巨大なコロナホールを通過することを発見しました。

 太陽コロナの中で温度が低く、プラズマ密度が低くて磁場強度が低い領域は、太陽望遠鏡が観測する極紫外線帯では放射が弱いため、コロナホールと呼ばれています。袁教授によると、コロナホールは凸レンズの役割を果たし、四方への拡散していた磁気流体力学波が改めて焦点に向かって徐々に集束します。観測によれば、この磁気流体力学波は焦点を合わせた後、振幅が4倍になり、備え持つエネルギー流が8倍にまで上昇しました。このことは、この現象がエネルギーを収束する効果を備えていることを示しています。

 同研究は中国の重要な科学技術インフラである「宇宙環境地上シミュレーション装置」に理論上の根拠と数値モデルの基礎を提供するということです。(閣、鈴木)