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世界の海水温、21年は観測史上最高 多くの海域で記録更新

新華社2022-01-17 15:41

 中国科学院大気物理研究所がこのほど発表した2021年の世界海洋温暖化報告によると、同年は海水温の上昇が続き、観測史上最も水温の高い年となった。地中海、北大西洋、南大洋、北太平洋の各海域で記録を更新した。

 報告は同研究所が主導、世界14研究機関の科学者23人と共同でまとめ、国際学術誌「Advances in Atmospheric Sciences」に11日付で掲載された。21年の海洋温暖化に関する報告としては世界初。

 成里京(せい・りきょう)副研究員は、「地球温暖化による熱エネルギーの90%以上は海洋に取り込まれており、よく使われる地表温度に比べ、海洋の貯熱量は自然変動から受ける影響が小さい。このため、海洋貯熱量の変動は、地球温暖化を監視するのに最適な指標の一つとされる」と述べた。

 同研究所の最新データによると、21年は世界の海水の深さ2千メートルまでの貯熱量は前年比14ゼタジュール(10の21乗ジュール)増加した。この熱量は20年の中国年間発電量の約500倍に相当する。

 成氏は「これまでの80年間、海洋はどの10年ごとに見ても暖かくなっている」と指摘。海洋温暖化は、海面上昇、海洋による二酸化炭素吸収率の低下、海洋熱波発生率の上昇、強い台風・ハリケーンの多発、極端な豪雨の増加などにつながり、人類の活動と生態系に重要な影響を与えると説明した。

 報告によると、海洋温暖化は南大洋、中低緯度大西洋、北西太平洋などで著しい。温室効果ガスの増加が、海洋温暖化の空間構造を進める主要因で、工業やバイオエアロゾル、土地利用なども海洋温暖化に一定の影響を及ぼしているという。

 このほか、海洋は温室効果ガス増加の影響が表れるのが緩慢であり、また停滞しやすく、これまでの二酸化炭素排出による海洋温暖化などの影響は少なくとも数百年続くと考えられる。研究チームは、この現象は地球気候変動における海洋の重要な役割を浮き彫りにしており、海洋温暖化の影響を気候リスク評価、気候の影響と対策の中に十分に組み入れる必要があると強調した。(記者/張泉、袁全)