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「中欧班列」、中国国産高級車「紅旗」の海外展開を後押し

新華社2024-03-22 11:02

13日、長春遠達鉄道総合貨物ターミナルで、コンテナ積み込みを待つ「紅旗」ブランドの自動車。(長春=新華社記者/司暁帥)

 中国吉林省長春市にある中国鉄路瀋陽局集団の長春遠達鉄道総合貨物ターミナルからこのほど、コンテナ55TEU(20フィートコンテナ換算)に中国自動車大手、中国第一汽車集団の高級車ブランド「紅旗」の自動車165台を満載した中国-欧州間の国際貨物列車「中欧班列」がゆっくりと出発していった。

 貨物列車事業を展開する吉林省国華資産管理運営部の唐克(とう・こく)部長によると、海上輸送の場合60日かかるところを、「中欧班列」ならわずか15~20日で欧州の関連拠点や倉庫に届けることができるという。

 自動車産業は同省の一大基幹産業であり、長春市には中国第一汽車集団の本社がある。同社は現在、新エネルギー車(NEV)の開発を急ピッチで進めており、特に紅旗などのブランドの電動化を加速させ、国内外市場で全面的に事業展開していく方針を発表している。

 玄関先とも言えるほど近距離から「中欧班列」が出ていることで、紅旗は「工場出荷後に即輸送」が可能となっている。海外での販売計画に従って柔軟に輸送を手配することもでき、リードタイムの短縮や資金繰りの改善にもつながる。

 同社のデータによると、2023年の「紅旗」の輸出台数は前年比2・5倍の1万2800台(実績ベース)に上った。特にノルウェーやスウェーデン、デンマーク、オランダ、アイスランドなどの欧州市場に相次いで進出し、高い評価を得るなど、中国の民族系ブランド車の国際的な影響力を示した。

 同社の計画では、将来的に海外に紅旗の体験スペースを700カ所、サービスネットワークを千カ所以上、充電スタンドを60万基設置し、主にノルウェーやスウェーデン、オランダ、ドイツ、フランスなどの欧州市場に攻勢をかけ、海外の高級車市場開拓に全力で取り組む。

 同市にある長春鉄道物流センターからは、内モンゴル自治区の満州里を経由してモスクワに向かう路線と、黒竜江省の同江北経由でモスクワに向かう路線の二つの「中欧班列」欧州行き輸送ルートがあり、それぞれ興隆山駅と遠達駅の二つの営業駅で「中欧班列」の運行業務を担っている。(記者/邵美琦)

13日、「中欧班列」に積み込まれる「紅旗」ブランドの自動車。(長春=新華社記者/司暁帥)

13日、「中欧班列」に「紅旗」ブランドの自動車を積み込む作業員。(長春=新華社記者/司暁帥)