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列車で中国西北地域を堪能 観光客から好評

2024-08-21 13:57

青海湖二郎剣風景区を散策する観光客。(2023年8月2日撮影、西寧=新華社配信)

 中国では今年に入ってから国内各地で特別観光列車の運行が始まり、沿線の美しい自然の景色や文化、風情、心のこもったサービスが観光客の好評を博している。

 青海省西寧市でこのほど、豪華観光列車「絲路夢享(シルクロードエクスプレス)」に乗車した観光客80人が4泊5日のシルクロード情緒あふれる旅に出発した。列車は青海湖、チャルハン塩湖、大柴旦(ターチャイダム)の翡翠湖を経由し、古代シルクロードに沿って甘粛省敦煌市に向かった。

 シルクロードは雄大で美しい自然の風景、文化的な蓄積の厚い文化遺産、多彩な民族情緒を持つ西北地域の主要観光ルートとして長年開発と建設が進められ、今や数ある中国の観光商品の中でもとりわけ魅力がある。

 上海から参加したという観光客の張(ちょう)さんは「快適な列車に乗って風景に包まれるようなゆったりとした旅は、家族と過ごすのにぴったり。これから数日間の行程が楽しみだ」と語った。

 観光列車の旅を企画した旅行会社、上海星景旅遊のブランド開拓部、張霊婕(ちょう・れいしょう)総監は「観光列車は停車駅全てに景勝地がある。従来の西北環状ドライブ観光コースに比べると、中継地点の行程が省かれることで、旅行時間が短縮でき旅の快適さが向上した」と紹介した。

 西寧と敦煌の間を定期運行するシルクロードエクスプレスは中国国家鉄路集団傘下の中国鉄路青蔵集団が運営を担当。景色が楽しめるだけでなく、さまざまな客層の多様なニーズに焦点を当て、パーソナルなサービスや体験のカスタマイズも提供している。

 列車は15両編成で、独立型バスルーム付きの個室寝台車両のほか、ラウンジ車、中華や西洋料理を提供する食堂車、カラオケなどの娯楽設備を備えた多目的車両などを完備。専門のバトラーチームが24時間サービスを提供する。

 シルクロードエクスプレスプロジェクト責任者の曹雲(そう・うん)さんは「シルクロードエクスプレスのような豪華観光列車は、他にはないサービスや設備、体験が観光客に人気。一方、普通観光列車は幅広い層のニーズを満たし、より多くの人が観光列車の旅の楽しさを体験できる」と語った。

 同集団は新疆ウイグル自治区や西蔵自治区、華東地域、中国香港・マカオ、山東省煙台市、黒竜江省漠河市などの地域を走る普通観光列車20本余りを運行しており、ルートは全国各地に広がっている。

 さまざまなテーマやタイプの特別観光列車の運行によって、使われていなかった線路や車両が有効活用されるだけでなく、地方観光経済の活性化にもつながっている。

 青海省海北チベット族自治州海晏県青海湖郷達玉五穀村の村民、蘭公加(らん・こうか)さんは「観光列車が停車するようになって、お客さんが一層増えた。観光客は遊牧生活を体験し、地元グルメを味わい、大自然を感じ取っている。私たちは収入が増えただけでなく、地元を大切にし、守ろうという意識も高まった」と語った。

 青海省文化・観光庁によると、今年1~6月に同省を訪れた観光客は前年同期比23・7%増の延べ2200万人、観光収入は20・0%増の191億元(1元=約20円)に上った。10月8日からは新たな観光列車のルートとして、西寧を発着し、新疆ウイグル自治区の若羌(チャルクリク)県や庫爾勒(コルラ)市、庫車(クチャ)市、カシュガル市などを通る南疆線も運行されるという。(記者/白瑪央措、曹昌浩、張睿)