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SF小説「三体」の日本語翻訳者・立原透耶氏「SF作品が中日文化交流促進すること願う」

人民網日本語版2023-01-10 13:38

 中国のSF作家・劉慈欣の人気SF小説「三体(Three-Body Problem)」シリーズの日本語版の監修と翻訳を務めた立原透耶氏はこのほど、「2023年には、日本でさらに多くの中国のSF作品関連の企画が進むことになるだろう。日本の読者が、SF作品を架け橋として、両国の文化交流と理解を深めることを願っている」と語った。新華社が報じた。

 日本のSF作家である立原氏は、中国のSF作品を翻訳して、日本でPRしている。「三体」シリーズを世界へと広めていく上で、多大な貢献をしたことが評価され、立原氏と、「三体」シリーズの日本語版出版チーム及び関係翻訳者は昨年12月、第13回中国語「SF星雲賞」に新設された「星橋賞」を受賞した。同賞は、中国SF文学の世界への普及に貢献した人を表彰するために新設された。

 立原氏は取材に対して、「SF小説のファンの一人として、これほど高く評価されてとても光栄。私の役割は、日本で中国のSF作品を、中国で日本のSF作品をPRすることだ」と語った。

 「三体」シリーズの日本語版は、2019年7月4日から発売されており、何度も増刷されるなど、日本でブームを巻き起こしている。

 「三体」が日本でも大人気となっていることについて、立原氏は、「『三体』は、中国の要素も、世界の要素を兼ね備えている。中国の歴史、文化、風物がしっかりと描写されていると同時に、素晴らしいSF設定もあり、SF小説ファンの枠をすでに超えている。以前はSF小説を読んでいなかったという人まで読み始めたのは、おもしろい現象だ。特に、中華圏と関わりのあるビジネス関係者が読み始めた」としている。

 立原氏は2021年にも、中国のSF作品の翻訳と紹介において際立った成果を収めていることが高く評価され、第41回日本SF大賞・特別賞を受賞している。劉慈欣氏は動画による祝辞を寄せ、「立原氏は、中国文化や中国のSFに対する奥深い理解を活用して、中国と日本のSF文学の間に架け橋を作っている」とした。

 大阪府出身の立原氏は、小学生の頃は中国古典文学の「水滸伝」が好きで、大学時代には、小説作家・金庸や古龍の武侠小説に夢中になっていたという。そして、おもしろい中国語書籍を探す過程で、中国のSF作品にはまっていったといい、「日本のSF作品と比べると、中国の作品のほうが、細やかで暗示に富んだ描写が多く、哲学や歴史の要素にもより深みがある」と話す。

 日本と中国のSFファンのイメージについて、立原氏は、「中国のSFファンは、活力のある若者が多い。日本と中国のSFファンの共通点は、SF小説に対する熱い思い。違いは、国際的視野。日本は、まだ中国ほど、国際性を備えるまでには発展していないので、その点では中国がとても羨ましい」とした。 (編集KN)