首页 >中日

浜田和幸氏「中国式現代化は発展途上国の模範になる」

人民網日本語版2022-12-08 10:05

  

日本の国際政治経済学者、浜田和幸氏。写真提供:浜田氏。

 世界中の注目する中国共産党第20回全国代表大会(第20回党大会)が成功裏に閉幕した。日本の有識者は第20回党大会の打ち出した方針や政策をどのように受け止め、今後の中日関係の発展をどのように展望しているのだろうか。これらの問題について、人民網はこのほど東京で日本の国際政治経済学者、元参議院議員、元外務大臣政務官、米ジョージ・ワシントン大学政治学博士の浜田和幸氏に話を聞いた。

 ■中国式現代化は数多くの発展途上国にとって参考となる画期的な意義を持つ

 浜田氏は、第20回党大会報告の打ち出した中国式現代化を高く評価し、「中国式現代化は『中華民族の偉大な復興の実現』を推進する上での目標だが、同時に発展途上国に向けての『中国式経済発展モデル』の普及を意図したものと思われる」と指摘。

 「今日、世界は多くの課題に直面している。環境、食糧、エネルギー危機のみならず、感染症の蔓延、通商摩擦、テロや戦争の危険も増している。しかし、米国式の民主主義政治や市場経済は足踏み状態に陥っている。日本だけでなく、米国や欧州諸国も自国内の問題の解決もままならず、世界的な難題に有効な手立てを講じることができていない」とした。

 浜田氏は「そうした危機的状況に直面し、中国式現代化は中国のみならず世界の問題の改善、解決を標榜するもので、その発想の大きさと柔軟さは特筆すべきものだ。特に、中国の達成した絶対的貧困層の撲滅や食糧増産の成果を発展途上国と共有しようとする目論見は画期的なものだ」と指摘。

 中国式現代化の重要な特徴の1つとして第20回党大会が打ち出した「中国式現代化は全人民の共同富裕の現代化である」について浜田氏は、「日本の経済界が注目しているのは『現代化』の中で言及されている『全人民の共同富裕』という政策だ」と指摘。中日両国が新たな時代において手を携えて協力し、真の現代化の実現を推進することへの希望を表明した。

 ■高いレベルの対外開放は中日両国にさらに多くの協力の機会を創造

 浜田氏は、第20回党大会報告が質の高い発展を社会主義現代化国家建設の全面的建設における最重要任務として挙げたことに触れ、この理念に日本各界が注目していることを指摘。物質文明と精神文明の融合が質の高い発展にとって極めて重要であるとの考えを示した。

 浜田氏は、停滞の続く日本と比べて、中国経済にはまだまだ大きな伸びしろがあることに言及し、「コロナが拡大する以前は、日本の観光業や医薬品、家電製品などは中国からの爆買い観光客によって潤っていた」と指摘。このため、第20回党大会報告の打ち出した高いレベルの対外開放や外資参入のネガティブリストの合理的削減は日本経済界に歓迎されているとした。

 浜田氏は「日本にとって中国は最大の貿易相手国であり、中国市場は米国市場よりも重要だ。中国式現代化の実現にとって、日本の持つ技術や経験が役立つ可能性は極めて高いものがある」と指摘。第20回党大会を機に、中日の投資・貿易協力が広がることへの期待を表明した。

 また、気候変動問題が中日双方に深刻な影響を及ぼしているため、両国が気候安全保障政策の面で共同戦線を張り、アジアをリードする必要性を指摘した。

 浜田氏は、「海洋資源開発に関連する環境保全やカーボンニュートラル目標の達成に向けてのクリーンな技術、及び食の安全管理に関連する水質浄化や土壌改良などの分野で、日中が協力し、相互補完的システムを構築できれば、世界にとっても朗報になる」と指摘した。

 ■中日関係の改善には、まず国民感情の改善が必要

 今後の中日関係について、浜田氏は「中国との関係改善は避けて通れない課題だ」「米国は日本に対中包囲網への参加を強く求めているが、日本独自のアジア外交なくして米国から真に独立することはできない。従って、中国その他近隣のアジア諸国との友好関係の強化が望まれる」とした。

 浜田氏は「日中両国は漢字という共通の文化を持ち、儒教や論語の教えという精神的遺産を継承しており、地理的にも『一衣帯水』の運命を背負ってきた」と指摘。中日関係の改善には、まず両国の国民感情の改善が必要との考えを示した。また、人間関係と同様に、両国関係においても、互いに相手国の人や文化を知ることが肝要だとした。

 浜田氏はさらに、「両国民が若い時から、互いの違いや共通点を理解する機会を積み重ねることが大事だ」と指摘した。(編集NA)