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無形文化遺産生かし、地元観光を活性化 中国山東省台児荘古城

新華社2023-01-28 09:28

 中国山東省棗荘(そうそう)市の台児荘古城ではここ数年、無形文化遺産の保護・継承・活用に力を入れてきて、さまざまな無形文化遺産を風景区に溶け込ませ、観光の新たな活力を喚起している。

 古城では、生き生きとした魯南(魯は山東省の略称)皮影戯(ピーインシー、影絵芝居)を鑑賞できる。演者の陳守科(ちん・しゅか)さんによると、棗荘で生まれ、100年にわたり受け継がれてきた魯南皮影戯は山東省の第1次無形文化遺産にも登録されている。また、千年以上の歴史を持つ国家級無形文化遺産の「火竜鋼花」は、古城で毎晩上演されている。

 古城はまた、無形文化遺産に関わる作品を展示館に陳列し、脈々と受け継がれてきた文化の魅力を人々に伝えている。現在、運河招幌博物館や薬典博物館、珠算博物館、酒文化体験館など、さまざまなテーマの博物館が40以上ある。

 台児荘古城商業サービスセンターの武蕊(ぶ・ずい)投資誘致マネージャーは、無形文化遺産の上演を増やし、展示館の開館時間を延長したことで、観光客の滞在時間も延びたと説明。今年から風景区の入場料を無料にしたため、入場料収益はなくなったが、観光客数は徐々に増えて二次消費が活発になり、風景区は入場料依存から徐々に脱却していると表明した。

 山東台児荘古城ビッグデータの責任者、楊国棟(よう・こくとう)氏によると、2023年1月1日の入場無料化から半月で、来場者数は延べ54万人を超えた。春節(旧正月)当日(22日)に古城を訪れた観光客は延べ11万9千人に上り、卯年観光の好スタートを切った。

 武氏によると、観光客数は元日以降増加し続き、新規出店への意欲も高まっている。今年、古城には前年比約3・8倍となる計91店が進出し、店舗の売上高は約3・6倍になった。

 風景区は観光ブームに沸き、周辺地域にも恩恵をもたらしている。台児荘古城に隣接する「漁灯巷」街区は、地元の新たな「SNS映えする人気スポット」となっている。(記者/邵魯文)