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今年の「618」 Z世代消費者が「ケチ」になり消費行動が理性的に

人民網日本語版2022-06-21 10:19

 年に一度のショッピングイベント「618」が今年も幕を閉じた。割引率も配送の効率も低下した今年は、若者の消費意欲を喚起することができなかったとみられ、SNSでは「絶対に必要なものでなければ買わない」が合い言葉になっていた。

 今年の618に、若者は「ケチ」になったと同時に、消費行動が一層理性的になった。

 ソーシャルコマースプラットフォーム「小紅書」のデータでは、2022年4-6月に同プラットフォームで「618」を含む検索件数が前年同期比312%増加した。しかし検索の伸びとは反対に、調査に回答した人の多くが「今年は特に買う予定のものはない。セール価格も普段とそんなに変わらない」と述べた。

 今回の618で、若い消費者はとりわけ理性的になり、そして「ケチ」になったと言わざるを得ない。

 淘宝プラットフォームでは、天猫(Tmall)店舗の一部では複数の店で300元(1元は約20.2円)以上買い物すると50元割引き、一部の店では200元以上買うと20元割引きになり、さらに900元以上で70元割引き、1500元以上で120元割引きという店もあった。違いをしっかり把握して、自分の目標額に達するようにしなければならない。

 割引きは店によって差があり、プラットフォームが補助しているわけでもなく、元を正せば消費者が支払った代金からの利益で行なわれている。店の中には先に価格をつり上げてから値下げをするところもある。しかし上に政策あれば下に対策ありだ。必要なものしか買わないつもりだが、プラットフォームの割引きルールもうまく利用するため、消費者の中には目標額に達して割引きが適用されたらすぐに商品を返品するという手段に出る人もいて、そしてキャンペーンを上手に利用する賢いやり方を考え出している。

 買いだめするにしても、消費者の間では「必需品の買いだめ」が主流で、紙製品、スキンケア製品、家庭用品、ペット用品など硬直的需要のある商品の買いだめがキーワードだ。小紅書が提供するデータによれば、おそらく新型コロナウイルス感染症の影響を受けたことにより、618前後に小紅書でノンフライヤーを含む検索件数は同655%増加し、冷蔵庫を含む検索件数も同132%増加したという。

 しかし長年にわたって大々的なキャンペーンが展開されたため、ECのショッピングイベントが消費者の興味をかき立てるのがどんどん難しくなってきたことは確かだ。

 「消費意欲がもうない。買い物かごに入れておいてセールになったら買おうと思っていたが、待っている間にほしくなくなって結局削除してしまった」。ますます多くの若者が消費主義を考え直すようになり、理性的な消費を呼びかけるようになり、さらには「ケチ」になった。

 スポーツジム用のカバンを買おうと思った時、消費主義に反対する豆瓣のユーザーは、以前はバーバリーを見ていたのが今では拼多多を見て、最終的に50元のカバンを買った。「友だちに遊びに誘われるけれど行かない。慎ましく自律的な生活を送り、仕事が終わったらジムに行き、家に帰ったら本を読んだりゲームをしたりして、余計なお金を使わない。今の生活時間は以前よりだいぶ規則正しくなり、以前ほどのイライラはなくなった」という。

 調査によると、若者に「商品とサービスの使用価値に回帰したい」という流れがみられる。「商品を購入する時にどんな要素を最もよく検討するか」との質問に対し、「生活に必要かどうか」を選んだ人は93%に上り、「コストパフォーマンスが高いかどうか」もほぼ半数に上り、この2点が消費を決定する2大要因だった。

 感染症が続くことで、より多くの若者が「生活に必要なものは実はそんなに多くない」と気がついた。

 一部の人の理性的な消費は「お金がなくなったこと」が原因で、「将来の自分の稼ぐ力にあまり自信がないこと」が原因の可能性がある。

 しかし今の若者の「ケチ」は消費をしないことではない。

 若者は「消費高度化」を体現する商品の特徴には引き続き注意を払い、「質がよい」商品を買うという人が35.7%、「顔面偏差値が合格点」の商品を買う人が30.8%に達し、品質、健康的、顔面偏差値といった要素が上位に並ぶ。中核となる点は、その商品が本当に自分を快適にしてくれるか、楽しくしてくれるかだ。

 「反消費主義」が「消費をしないで楽しみを獲得する」を厳格に実行することだとしたら、多くの若者には不可能だし、したいとも思わないだろう。「ケチケチしてばかりいると、幸福感が大いに低下する」からだ。(編集KS)